毎年のこの時期になるとつぶやいている気もいたしますが、立秋を過ぎたというのに今年の夏は本当に厳しいですね。つい冷たいものを飲みすぎて、胃腸の調子が悪い方も、多いのではないかと思います。夏こそぜひ体に優しいお燗酒をどうぞ。
今回ご紹介するのは「賀茂鶴 本醸造 からくち」です。こちらのお酒は2013年スローフードジャパン燗酒コンテストの「お値打ち燗酒熱燗部門」で見事金賞を獲得されています。胃に刺激の少ない低めの温度で冷奴などとともにスタートしていただき、徐々に温度を上げて飲んでいただければと思います。本醸造の辛口ならではのスッキリとした味わいは夏にぴったり。お口のなかではうなぎの脂とうまく溶けあってそれぞれの風味が生き、新たな味わいも生まれてきます。先に一口お酒を含んでからうなぎを召し上がったあとは、今度はうなぎをまずお口に入れてからお酒を含んでいただくと、全く感じ方が変わってきます。どうぞいろいろとお試しいただき、好きな味わいを極めていただければと思います。


おうち酒簡単レシピ 第38回

 
■うなぎの緑酢  
 今年の夏は土用の丑が2日ありましたが、うなぎは召し上がられましたか。土用の丑に鰻を食べる習慣は、平賀源内が広めたとされていますが、もともと丑の日に”う”のつく食べ物を食べると夏ばてしないといわれていて、それをもっとアピールして浸透させたようですね。うなぎは白焼きで山葵醤油か、うな重で召し上がることの多いかと思いますが、さっぱりと胡瓜をつかった緑酢でおつまみにしてみました。
市販のパック蒲焼でも日本酒を振りかけてオーブントースターで温めれば、外はかりっと、中はふわっと戻ります。ぜひお試しください。
2015/8/15  

■材料<2人分> ■作り方
市販のかば焼き 1枚
きゅうり 2/3本
小さじ2
砂糖 小さじ1/2
少々

1

蒲焼は日本酒を小さじ2程度ふり(分量外)、アルミホイルで包んで、オーブントースターで数分蒸し焼きする。

2

キュウリは洗って、すり下ろし、ザルでこして余分な水分を取ってから、酢、砂糖、塩少々で調味しておく。

3

温まった蒲焼を食べやすい大きさに切って2をかける

   
■ワンポイントアドバイス

1.市販の蒲焼についているタレは使用しなくて大丈夫です。
2.キュウリは水分が多いので、すり下ろしたら必ずザルで水分を切ってください。ぎゅっと搾る必要はありません。
3.緑酢は早めに酢を入れてしまうと退色してしまいます。召し上がる際に調味してください。


■入江亮子氏プロフィール
佛教大学仏教学科卒。
日本料理の五味五色五法を駆使した懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案している。
●入江亮子さんの「懐石料理で大人の女子会」の様子はこちらから


 

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