立春とはいうものの、いよいよ寒さも一番厳しい季節ですね。ちょうどこの時期、蔵では酒造りのピークを迎えていまして、麹を見守るため泊りがけの作業などが続くのでした。そんな時期の労いの料理として考案されたのが「美酒鍋」。現在では広島の郷土料理として広く親しまれていますが、ルーツは賀茂鶴酒造さんです。定番の純米酒と合わせてみました。

おうち酒簡単レシピ 第20回

 
美酒鍋  
 美酒鍋は”びしょなべ”と読みます。由来は蔵人さんたちは大変な作業で汗をびっしょりかくので、美味しいお酒で作るのでと諸説ありますが、どれもごもっともですし、この鍋を食べると体の芯から温まり、まさに汗をびっしょりかくからなのでは・・・と個人的には思っております。
煮ている間にアルコール分は飛んでしまいますので、飲めない方でも楽しめると思います。お酒だけで水を1滴も使わない贅沢なお鍋で、味付けも塩と胡椒というシンプルそのもの。徐々に水分が飛んでいき、最後の煮詰まった濃厚な旨みの汁は奪い合い必至です。〆はちゃんぽん麺などが合います。どうぞ豪快に作ってください。
2014/02/11  

■材料<2人分> ■作り方
砂肝 100g
鶏胸肉 100g
豚ばら肉 100g
ニンニク 1かけ
長ネギ 1/2本
キャベツ 1/4
こんにゃく 1/3
さつま揚げ  
えのき茸 1/2袋
サラダ油 少々
日本酒 2合程度
塩、こしょう 適宜

1

肉、野菜、さつま揚げは洗って食べやすい大きさに切っておく。

2 コンニャクはちぎってからゆでておく。
3 鍋にサラダ油を少々敷き、火にかけて、ニンニクを入れてよい香りがしたら肉類を軽く炒める。
4 3が白っぽくなってきたら野菜類を全部入れて、ジャーッと日本酒を注ぎ、塩コショウで調味する。材料に火が通ったら出来上がり。
   
■ワンポイントアドバイス

1.使用する日本酒はどんなものでも大丈夫ですが、飲むお酒と同じメーカーを選ばれたほうが、同調します。
2.今回挙げた材料のほかに、ピーマンや白菜、ニンジン、タマネギ、焼豆腐、椎茸、生揚げなど、冷蔵庫にあるものでかまいません。
3.鍋の塩は少なめに入れて、個々に塩コショウ、あるいは柚子胡椒などで調整したほうが良いかと思います。


■入江亮子氏プロフィール
佛教大学仏教学科卒。
日本料理の五味五色五法を駆使した懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案している。
●入江亮子さんの「懐石料理で大人の女子会」の様子はこちらから

 

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