あけましておめでとうございます。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、改めておせちなどわが国の伝統食文化が見直されてきましたね。様々な温度で楽しめる日本酒ももちろんすばらしい伝統食文化のひとつですよね。この時期はとりわけお燗酒が恋しくなります。
さて今回紹介しますのは雄町ファンにはおなじみの利守酒造さんの「酒一筋 純米酒」です。しっかりしたボリュームを持つお酒で、常温ですと少し酸味が突出して感じるかもしれませんが、40度前後ですとふわっと優しくなりまして、何年会っていなくてもすぐに打ち解けてしまう親友のような親しみやすさが出てきます。松風のような味噌を使ったしっかりした味付けの肉料理に大変よく合い、肉の脂とお酒の旨みが口の中で溶け合い、それはそれは盃が進みます。

おうち酒簡単レシピ 第19回

 
■鶏松風  
 松風は、能の『松風』の「松風ばかりで浦(裏)さびし」という句からきています。表面だけにケシの実などをふりますので、裏面はさびしいところから名付けられたようですが、裏が無いことはかくし事がないことをあらわすので、1年を正直に生きようという願いが込められおせちにも組み込まれたようです。おせちだけでなく、おもてなし料理としてもとても役に立つ料理です。鉄砲串などに刺せばパーティにもいいですね。 オーブンで焼く方法が一般的ですが、実が縮んでしまったり焦げ
すぎてしまうことが多いので、簡単で失敗しない蒸してからフライパンで焼き目をつける作り方をお教えしますね。
2014/01/11  

■材料<流し缶(小)1つ分 3~4人分> ■作り方
鶏ひき肉 200g
砂糖 小さじ2
醤油 小さじ2
味噌 小さじ1
大和芋(すりおろして) 大さじ3
サラダ油 適宜
けしの実 適宜
タレ…醤油・味醂各大さじ1、砂糖小さじ2

1

鶏ひき肉、調味料、大和芋のすりおろしを全部フードプロセッサーにかける。

2 流し缶に1を入れて、蒸し器で20分蒸して、荒熱が取れたら型から出してフライパンに油を薄く敷き、表裏に焼き目をつける。
3 フライパンの油をキッチンペーパーなどでよくふき取ってからタレの材料を入れて砂糖を良く溶かし、そこへ2を入れてよくタレを絡ませたらバットに移してケシの実を振る。
4 冷めたらバチの形にカットし、盛り付ける。
※画像では前盛に折れ松葉の柚子を飾ってあります。
   
■ワンポイントアドバイス

1.流し缶の代わりに、小さいバットでも作れます。その場合は取り出しやすいようにクッキングシートを必ず敷いてください。
2.プロセッサーがない場合は当たり鉢で。それもない場合はボールにまずひき肉だけをいれよく練り、少しずつ調味料や大和芋を加えては練るを繰り返してください。
3.松の実やレーズンを加えても美味しいです。加える材料の目安はひき肉の10%くらいまでです。


■入江亮子氏プロフィール
佛教大学仏教学科卒。
日本料理の五味五色五法を駆使した懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案している。
●入江亮子さんの「懐石料理で大人の女子会」の様子はこちらから

 

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