今年の夏は本当に厳しいですね。熱が体にこもるというか、風もなく湿気を帯びた暑さで体力を消耗されている方も多いかと思います。自然はよくできていて、そんなときにはナスをはじめとした体を冷やす野菜がたくさん出回ります。今回は、ナスの中でも王様・・・というか味わいからすると女王様のほうがいいかもしれませんが、賀茂ナスを使った田楽をご紹介します。
 合わせるお酒は、賀茂ナスと同じ故郷京都の「玉乃光純米吟醸 酒魂くろ(大星岡村限定商品)」です。こちらのお蔵はほとんどが純米吟醸酒で、安定感ある味わいで外れませんね。そのなかでもこの酒魂くろは、一切炭素濾過をかけず、米の旨みが全開のお酒です。やや高めの酸も味わいにボリュームとキレを出していて、肉料理や揚げ物を進ませてくれる、究極の食中酒です。45度で付けて、口に入るときに40度前後がこの料理にはドンピシャでした。

おうち酒簡単レシピ 第14回

 
賀茂ナスの田楽  
 ワインほどのテロワールはなくてもやはり同じ出身地のものはとても合います。そろそろ終わりかけの賀茂ナスを熟成した赤味噌を使い田楽にしました。口に入れたとたんとろけるあの味わいは賀茂ナスならではですが、関東では入手しにくいかと思います。お求め易いナスでも十分おいしく召し上がれますのでどうぞお試しください。
2013/08/12  

■材料<2人分> ■作り方
賀茂ナス 1個
揚げ油 適宜
木の芽 2~3枚
けしの実 適宜
田楽味噌↓  
赤みそ 30g
砂糖 20g
大さじ1

1

賀茂ナスは洗って、横1/2に切り、さいの目に包丁を入れる。

2 180度程度の温度で揚げる(多めの油で焼いても良い)。
3 小鍋に田楽味噌の材料を入れ、よく混ぜてから火にかける。かき混ぜながらふつふつといってきたら火を止める。少ない分量なので、耐熱の器に入れて電子レンジに数秒かけてもよい。
4 器に揚げたナスを置き、上にフォークなどで平らに田楽味噌を塗り、さらに叩いた木の芽、けしの実などをふる。
   
■ワンポイントアドバイス

1.ナスは切ってすぐに使うのであれば、水にさらしたりする必要はありません。

2.揚げ物は何度も返してはいけません。余計な油が入ります。表裏1回で十分です。

3.ナスは低温で揚げると色が退色してしまい、さらにべシャッとしてしまいます。180度をキープして揚げてください。

4.田楽味噌は多めに作っておいて冷蔵庫で保存しておくと便利です。しっかり荒熱をとれば半年くらい持ちます。田楽のほか、ドレッシングに加えたり、酢を足して酢味噌にしたり、煮物に加えたり、とてもレパートリーが広がります。


■入江亮子氏プロフィール
佛教大学仏教学科卒。
日本料理の五味五色五法を駆使した懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案している。
●入江亮子さんの「懐石料理で大人の女子会」の様子はこちらから

 

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