サンジャミニャーノの町から、車で5分ほどのと ころに、パンコーレの醸造所はあります。畑に囲 まれた高台でのどかな雰囲気に包まれています。 7部屋ほどのペンションも経営されているそうで す。チェザーニさんは、私たちのカメラの前に、 少しはにかんだ笑顔で立ってくださいました。彼 が6haから始めた畑も現在は62haとなり、信頼 できるエノロジストと共にワイン造りに情熱を傾 けています。 | |
白ワインは、良い生産者が皆そうであるようにソフトなプレスをし、温度調節 可能なタンクを使用しています。赤ワインは、ステンレスタンクで10日間の マセラシオン、ルモンタージュを行い発酵終了後、コンクリート槽にて20日 間のマロラクティック発酵。二ヶ月間大樽に入れてから瓶詰めされます。どの 設備もこじんまりとしていますが、プレスや温度管理などには充分配慮されて いる最新のものです。 |
さて、可愛い樽を見せていただいた後は、明るい日差しの庭で試飲となりました。美 しい景色とのどかな雰囲気の中で、ワインをティスティングするなんてなんだかと っても野暮なことに思えます。どのワインも、生産者の方たちは毎年、できる限り の努力をし、ベストを尽くして造っているのですから、全てのワインを(もちろん、 きちんとした生産者のワインですが)「美味しい!」と言ってあげたい。そんな気 持ちになるのも豊かな自然、美しい景色に酔ったせいでしょうか。化学薬品や肥料 をできるだけ使わずに造られるパンコーレのワインは、とても優しい味わいで、飲 む人の気持ちも優しくしてくれるのかもしれません。 |