アブルッツオ州



オルトナの町に本拠地を置くファルネーゼは、収穫量を
制限し、熱心な研究とそれに伴うテクノロジーで、コス
トパフォーマンスのよい、優れたワインを造り出してい
ます。研究室を兼ねたセラーを訪問した際、オーナーの
一人バレンティーノさんと、醸造責任者であり共同経営
者でもあるフィリポさんが案内してくださいました。ワ
インにその名を冠している、もう一人のオーナー、カミ
ッロさんはインターナショナルワインチャレンジのため
ロンドンに行ってお留守でした。ちなみに、2000年
のカステロヴェッキオが、イヤーオブザホワイトワイン
に選ばれたそうです。
セラー裏の畑では、オーストラリアンシラーズとカベルネ、シャルドネなどを研究栽培中でし
た。ちょっと訳ありのこの苗は、由緒正しいクローンらしく、「ここいら辺の気候はフランス
よりオーストラリアに近いし、間違いなくうまくいくと思うよ。世界第2位くらいになれれば
いいんだけどな。」と、いたずらっぽい笑顔で話してくださいました。セラーでは、樽の違い
による赤ワインの比較試飲、発酵途中のシャルドネの試飲など、とても興味深く、彼らの研究
熱心さがひしひしと伝わってくるものでした。
    
    
世界の市場にアンテナを張り巡らして、今求められているものを知り、的確に生み出していく
力と、醸造設備については農協のタンクを利用したり、リーファーコンテナをセラー替わりに
使うなど合理的な考え方で、価格以上に満足の得られるワインをいつも提供してくれるファル
ネーゼ。この小粋な男達の活躍を心から祈りたいと思います。


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