なだらかな斜面の畑が広がる美しい景色中に、カヴァルキーナの 醸造所はあります。この醸造所の歴史は古く、848年には、ク ストーツァ地域の最も重要なワイン生産者として記録されていま す。1911年にピオーナ家の所有となり、ルチアーノ・ピオー ナ氏はこの地域のワインに大きな変革をもたらしたのです。当時 の白ワインはみな、長時間スキンコンタクトして、やや酸化した ような味わいのものばかりでした。しかし、1962年のヴィン テージから造り始められたビアンコ・ディ・クストーツァは圧搾 機を使い果汁のみを低温で発酵させるという、当時としては画期 画期的な方法でフレッシュで香り豊かなワインとなったのです。 1971年には、D.O.C.に昇格しています。 | |
ルチアーノ・ピオーネ氏の長年の研究の成果が、このセンセーショナルなワインを産んだのですが、 今ではその情熱を受け継いだ息子のジゥリエット・ピオーネ氏が素晴らしいワインを造りつづけて います。醸造所では、摘み取りも始まり慌しい中の訪問となり、ご迷惑をかけたのですが、試飲に際 してピオーネさんは熱心に話してくださいました。そのなかで、「よい葡萄がよいワインをつくる」 と言うシンプルな言葉がなぜか一番心に残りました。 |
「ビアンコ・ディ・クストーツァといえばカヴァルキーナ、カヴァルキーナといえばビアンコ・ディ・ クストーツァと言われる。」とのお話で、このワインに対する誇りが感じられました。職人というよう な印象のピオーナさんですが、研究熱心で新しいスタイルのワインにも積極的に取り組み、ロンバルデ ィアにプレンディーナ醸造所を買い取リ、カベルネソービニオンやメルロー、ソービニオン・ブラン、 リースリングなどでも成功しています。試飲させていただいた部屋には、1962年のクストーツァの ビンが誇らしげに飾られていました。 |