この醸造所によって管理されているエーバーバッハ 修道院は、1135年に設立され、何の損傷もなく残さ れています。エーバーバッハ修道院ではワインオー クション、ワインフェアー、ワイン品評会、そして ラインガウ葡萄栽培者組合の収穫感謝祭などが催さ れます。夏にはクラッシックコンサートも行われま す。12世紀に始まった同修道院のワイン造りは800年 以上にわたり継承され、自家葡萄畑総面積は、約150 haラインガウ地域最大の規模を誇ります。 | |
この醸造所の醸造責任者であるプリンツさんに案内していただき、修道院時代の圧 搾機、醸造に使われていた部屋や樽などを見せていただきました。 1668年に使われていた圧搾機が現存するものの中では一番古いそうですが、100年前 までは、使われていたとのこと。ひととおり見学をさせていただいた後、ワイン庫 でテースティングをしました。このワイン庫というのが規模といい、雰囲気といい、 とにかく素晴らしく、ひんやりとした空気と、棚や壁いっぱいの黒かびが歴史を感 じさせてくれます。古くは1800年代のワインから保管されています。 1999シュタインベルガーQ.b.Aから、アウスレーゼ ゴールドカプセルまでを試 飲し、1971年エアバッハー マルコブルン、1959シュタインベルガー トロッケン ベーレンアウスレーゼと続きました。もちろんどれもとても素晴らしかったのです が、やはり心を奪われるのは1959年のトロッケンベーレンアウスレーゼでした。蜜の ように甘く、香りも豊かで酸もいきいきとしています。とてもよい熟成を感じること ができます。プリンツさんも、「最近リコルクをおこなった時にいくつかの古酒を試 飲しましたが、その中でも、このワインはとても素晴らしい熟成をしている」とおっ しゃっていました。ワイン好きの垂涎の的を飲み干して畑へ。広々とした畑はなだ らかで日当たりもよく、よく手入れが行き届いています。プリンツさんがここの仕 事を任されたのは1991年だそうですが、規模も大きく、働く人もおおいために自分の 考えがワインに反映されるには、少し時間がかかったと言うのも頷けます。1980年 代には、一時的に品質が落ちたりしたこともあるようですが、プリンツさんに手で 見事に生まれ変わり、名実共にドイツを代表するワイングートとなっています。 |
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