MOSEL-SAAL-RUWER



私はこの訪問をとても楽しみにしていました。

私の大好きなあのワインを造る人はどんな人な

のだろう・・・笑顔で出迎えてくださったシェ

ーファーさんは1m90cmを優に超える大柄

な方で顔にはひげを蓄えていました。

ワインについて説明してくださる時には穏やか

で、このうえなく静かな口調でした。
その性格はワイン造りにも反映されオリ引きの際タルを移すのにも、普通ポンプ

などを使用するところをホースを用い静かに行い、ワインに余計なストレスを与

えないとのことでした。細心の注意と愛情を持ってワインを育てているといった

ところでしょうか。葡萄やワインにとても優しく向き合っていることがよくわか

りました。彼の畑は斜度が最高60%〜70%あり、そこでの労働はとても厳しいもの

です。ザイルは使わないで作業すると笑っていましたが、畑を目の前にすると信

じられませんでした。モーゼルの有名生産者になってしまった彼ですが、畑での

作業が何より好きだというのがとても印象に残りました。シェーファー家では18

歳になる息子のクリストフさんが後継者に決まり、これから益々、期待できる生

産者です。
1706年からワイン造りをはじめたシェーファー家は、モーゼル中流域グラ ッハ村にドームプロブストとヒンメルライヒ、ヴェーレンの村にゾンネン ウーア、合わせて2.7haの畑を所有しています。ドームプロブストの目の前 に醸造所があり、非常に小規模で限られた数量しかワインを造っていませ ん。シェーファー氏は「品質のよいワインを作ることのみに興味がある」 と言い切ります。ワインライターのスチュアート・ピゴットやロバート・ パーカーJr.に絶賛され、世界中で人気が高いため入手困難なワインのひ とつになっています。


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