酔いどれんぬの簡単レシピ
第20回「鶏肉と舞茸の焼きびたし」
11月になりまして、秋の深まりを感じるよりも急激な気温の低下に驚いております。秋というよりも初冬です。霜月とはよく言ったものですね、朝から熱燗呑みたくなってしかたがありません。今月はこんな季節に呑みたい、冷やでも燗でも美味しいお酒をご紹介させていただきます。藤井酒造さんの「夜の帝王 Daybreak」です。
藤井酒造さんは1863年に広島県は竹原市で酒造りを始められました。今も地下水を水道水として使う水に恵まれた地で、自然の力を可能な限り生かすよう、人間の力を最大限に使って醸されている全量純米造りの蔵です。
今回ご紹介します「夜の帝王 Daybreak」は名前だけきくと夜の街でご活躍される感じの、1升瓶を呑みほしそうな男性を思わせ、無濾過生原酒タイプを連想されますが、実は真逆。低アルコールでDaybreak(朝)までだらだら呑むことができる優しいお酒なのです。
香りや甘みが突出せず、爽やかな酸が心地よく、呑み飽き呑み疲れせず、たしかに朝までとめどなく呑めてしまいます。だらだら楽しみたいけれども、体はだらだらになりたくない。そんなあなたに、つまみながら呑んでも大丈夫なヘルシーな肴を紹介させていただきます。低カロリー高タンパクな鶏胸肉と旬の舞茸を使った「鶏肉と舞茸の焼きびたし」です。
<材料>(2~4人分)
鶏胸肉 180g
舞茸 1株
水 100cc
日本酒 100cc
ゆず果汁(又はレモン、スダチ) 大匙2杯
しょうゆ 大匙2杯
塩 少々
<作り方>
1.鶏肉に塩をし、日本酒と共にジップ袋に入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます。
2.翌日、冷蔵庫の袋をとりだし一口大に切ります。トースター又は魚グリルで舞茸と共に10分程焼き目がつくまで焼きます。その間に、鶏をつけておいた日本酒と水を鍋に入れ、火にかけます。煮立ったら灰汁をとり、火を止め、保存容器に入れます。
3.そこにゆず果汁、しょうゆを加え、焼けた鶏と舞茸を入れ、全体をなじませます。1時間程漬けたら器に盛りつけ、完成です。
<ワンポイントアドバイス>
1.お酒は少し贅沢ですが夜の帝王を使ってください。もちろん他のお酒でもおいしいですよ。
2.舞茸ではなくシメジ、エリンギでも代用可能です。
◆稲浪理恵さんプロフィール
全国の蔵を駆け巡り年間一石の日本酒を飲む“酔いどれんぬ”こと稲浪理恵さんは、日本酒愛好家や献立検索女子に崇められるパワーブロガー。日本全国を旅し、地元食材を買い込み研鑽を重ねた独自のレシピを、SNSだけでなくリアルな日本酒の会でも提案されています。
◆過去のレシピ
第19回 かぼちゃとサーモンのガトーインビジブル
第18回 イタリア風焼きナス
第17回 冷やしあんかけ もろこし豆腐
第16回 さば缶とタマネギのアチャール
第15回 牛乳ざる豆腐の冷ややっこ
第14回 豆苗とお揚げのじゃこ煮
第13回 ホタルイカと野菜のピクルス
第12回 ブルーチーズと酒かすの一口タルト
第11回 菜の花と生ハムの昆布じめ
第10回 ホタテとイチゴのカルパッチョ
第9回 牡蠣の酒蒸し ポン酢のジュレがけ
第8回 手羽元のコンフィ
第7回 鮭の秋色餡かけ
第6回 鶏むね肉のガランティーヌ 酒粕マスタードソース
第5回 冷やしおでん
第4回 夏野菜と海老の寒天寄せ
題3回 鮭のソテーリンゴの入ったラヴィゴットソースで
第2回 鰹のタイ風カルパッチョ
第1回 タコとモッツァレラチーズの大葉ジェノベーゼ