酔いどれんぬの簡単レシピ
第8回「手羽元のコンフィ」
秋も深まり、赤や黄色の彩りが山に街に溢れる季節となりました。皆さまはもう紅葉をご覧になられましたでしょうか。今回はまだの方にも間に合う、東京にある手軽に行ける紅葉スポットと、紅葉を見ながらのBBQでも楽しむことが出来るお酒を紹介させていただきます。
新宿から電車で1時間ほど行けばそこは奥多摩、ビルが建ち並ぶ東京とはまた別の顔の東京があります。車窓から豊かな山並み、御岳山、澄んだ多摩川を臨み、沢井駅へ降り立てば蔵はもう目の前、小澤酒造さんが見えてきます。
元禄15年創業、約300年続く蔵で秩父古生層の岩盤を140メートルも手で掘り抜いた洞窟から湧き出る岩清水から生み出されるお酒は水の透明感を感じるすっきりした味わいであり且つ、土地の力強さを感じるこしのある味わいです。澤乃井特別純米は柚子やレモンを思わせる爽やかな香りと酸が心地よく口に入ってき、そこからお米や水の優しさ旨味が広がります。しかしながら優しいだけではなく、力強さ、こくを感じ、疲れないけれども飽きさせることもない、バランスの良い特別純米酒です。小澤酒造さんには屋根付きバーベキュー場もありまして、そこで紅葉を眺めながら呑むのもお勧めで、冷えた状態から温度があがっていっても楽しむことができるので、秋の行楽にも最適なお酒といえます。冷酒グラスでいただけば香り良く爽やかに、陶器でいただけばまろみや旨味を感じることができますので、ぜひお試しください。
バーベキューのお肉に合わせても美味しいのですが、自宅でBBQというのはなかなか難しいので、おうちで簡単にでき、失敗しらずの肉料理として、今月は「手羽元のコンフィ」をご紹介させていただきます。時間はかかりますが料理自体はいたって簡単。火入れの失敗もなく、誰でもお肉をジューシーに仕上げることができますよ。手羽元のコラーゲンと日本酒のアミノ酸で、これからの乾燥の季節も素肌美人を目指しましょう!
<材料>(2人分)
手羽元 6本
オリーブオイル 100cc程度
日本酒(澤乃井) 大匙5杯
タイム 4本
にんにく 1片
塩、黒胡椒 少々
<作り方>
1.ジップ袋に手羽元、日本酒、タイム、つぶしたニンニク、塩、胡椒を入れたらもみこみ、冷蔵庫で1晩漬け込みます。
2.オーブンを110℃に余熱します。耐熱容器に手羽元を並べ、漬けておいたニンニク、タイムもその上に並べたらオイルをひたひたになるまで入れます。ふた、またはアルミホイルをかぶせたらオーブンに入れ、1時間加熱します。
3.粗熱がとれるまでおきます。食べる際にフライパンで皮目を色よく焼いたら完成です。
<ワンポイントアドバイス>
1.オイルに浸したままですと冷蔵庫で1週間近く保存可能です。作り置きができるので、ホームパーティーなどの際にあらかじめ用意しておくことができ、便利ですよ。
2.使ったオイルは鶏の良い出汁がでているので、炒め物やパスタに使うことができます。
◆稲浪理恵さんプロフィール
全国の蔵を駆け巡り年間一石の日本酒を飲む“酔いどれんぬ”こと稲浪理恵さんは、日本酒愛好家や献立検索女子に崇められるパワーブロガー。日本全国を旅し、地元食材を買い込み研鑽を重ねた独自のレシピを、SNSだけでなくリアルな日本酒の会でも提案されています。