入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第31回 「ぶりの照り焼き」
新春第一弾は、究極の定番酒ともいえる「一生住吉 純米酒 辛口+5」をおめでたい出世魚のぶりで楽しみたいと思います。住吉といえば、辛口好きで知らない方はいないと思いますが、ぶりのような脂の乗った魚と究極の相性を示しますよね。常温ですと原料香に少し柑橘系の香りも乗って比較的するっと飲めますが、温度を徐々に上げていくと、ドライフルーツのような凝縮された香りも立ち、味わいはドライな中にもボディがでてきて、ぶりの脂分と溶け合って、それはそれは酒も肴も旨さが引き立ちあいます。45度くらいが一番ボリュームを感じました。蔵では08年から全量純米酒に切り替えており、地元の米を使い、製法も昔気質の麹蓋、暖気樽を使用と手間暇惜まずが好感もてますね。今年も大いに美味しいおつまみとお燗さけでおうち酒楽しみましょう。
ぶりの照り焼きは、おうちでもよくお作りになるかと思いますが、タレに漬けこんでいませんか?しかもその漬けこんでいたタレをぬって焼いたりしていませんか?実はそれ、絶対にやってはいけないことの一つです。なぜかというと、魚の臭みやドリップがでてしまっているから。まず、ぶりは醤油だけに漬けて、別にタレを用意します。大変な手間のようですが、このタレは一度作ってしまえば、照りを出したい焼き物全般に使え、とても便利です。今回は使う分だけレンジで作っていますが、1度に1カップくらいは作って、冷蔵庫で保存しておけば、焼き鳥やうなぎのかば焼きなどにも使えます。また、今回は年初めを意識して、添えに金柑と姫くわいの旨煮を添えましたが、大根おろしなどでも十分ですのでお気軽にお試しください。
<材料>2人分
ぶり 2切(1切90g程度)
醤油 大さじ1
たれ:醤油 大さじ1、味醂 大さじ1、砂糖 小さじ1
<作り方>
1.ぶりの切り身をバットに入れ、しょうゆをかけ、5分置いたら上下を天地返しし、トータル10分漬けこむ。
2.タレの材料を耐熱の器に入れ、レンジに十数秒かけてしっかり砂糖を溶かす。
3.1をグリラーで焼き、焼きあがるときに2のタレを2~3回、つけては焼き乾かしを繰り返す。
4.器に盛って、さらにタレを少しかけ、大根おろしなどを添える。
<ワンポイントアドバイス>
1.今回の添えの簡単な作り方を記しておきます。金柑は洗って半分に切って、種を抜いたら、お砂糖を少しかけて、レンジに数秒で出来上がりです。姫くわいは洗って皮をむき、芽を1cmくらい残して、ひたひたの水にくちなしの実を入れて5分ゆで、鰹出汁に塩少々を入れて煮含ませます。新春らしい添えです。
2.ぶりの代わりにさわらや生鮭でも美味しいです。