入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第33回 「豚の角煮」
梅一輪、一輪ほどのあたたかさを実感の毎日ですね。気の早い桜はもう咲き始めています。そろそろ甑倒しを迎える時期でもあります。
さて、日本酒は酵母が糖を食べて、アルコールと炭酸ガスを生成するわけですが、その清酒酵母のひとつが酒名になっている金冠黒松「協会八号酵母」(純米酒)というお酒を今回ご紹介したいと思います。この酵母の特徴は酸を多く出すところ。四半世紀前に使われなくなってしまったのですが、ここ十年くらいで、数社使用するようになってきました。日本人の食生活も昔と比べて動物性の脂質をとることが増えてきたので、こういったきりっとした酸があるお酒がこれからもっと市場に増えてくるのでは・・・と思ったり致します。45度くらいのお燗にしますと、俄然膨らんできて、料理の脂を包み込み、一緒に溶け合う感じが出てきます。
やはり料理は脂の多いものが合います。定番な料理ですが、なかなかうまく作れないというお悩みもよく聞きますので、豚の角煮を作ってみましょう。煮るのに2時間程度かかりますが、一度作ってしまえば、煮汁や浮き出たラード、一緒に煮た薬味も余すことなく使えて便利です。シンプルなレシピでご紹介しますね。
<材料>2人分
豚バラ肉塊 500g程度
長ネギ 1本
しょうが 1片
調味料:醤油 1カップ、砂糖 1カップ、日本酒 1カップ、水 1/2カップ
練辛子 適宜
<作り方>
1.豚バラブロックを1.5cm程度の食べやすい厚さに切る。
2.長ネギは3~4等分に切っておく。
3.ショウガは皮付きのままでスライスしておく。
4.鍋に1~3をいれ、調味料と水を加え、沸騰するまでは強火で煮て、必ずアクを一度すくい、あとはことことととろ火で2時間煮ていく。
5.器に盛ったら、辛子を適宜つけて食べる。
<ワンポイントアドバイス>
1.長ネギがなければタマネギ1個でもOK。ニンニクを加えてもよい。
2.浮き出てきた脂と角煮、煮込んだ薬味でチャーハンを作っても美味しい。
3.煮汁には肉と薬味の旨みがたっぷり。冷蔵庫で保存して、炒め物やラーメンなどの調味料に使うと良い。
4.冷めると固くなるので、温めなおすときは電子レンジではなく、蒸し器を使うとふんわりととろけるようにやわらかくなる。
5.水菜やほうれん草などさっとゆでた青菜を添えると栄養的にもばっちりです。画像は水菜です。