入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第54回 「和風ビーフシチュー」
いよいよ今年も残すところあとわずかと成って参りました。ぐっと寒さも本格的になって来ましたね。今年は秋が短くていきなり冬になったかと思えば、春めいた天気もあったりで、かなり体調を崩されている方を見かけます。宴会も多い季節で正月休み前のハードな仕事の合間に忘年会が目白押しの方も多いかと存じます。どうぞお燗酒で体をいたわってあげてくださいね。
さて、今月はじわじわとファンを増やしつつある熟成酒をご紹介します。兵庫県姫路市のお蔵、本田商店様の「龍力純米 熟成古酒1999」です。17年古酒とは思えないきれいな琥珀色のお酒ですが、キャップをあけると本領発揮。黒糖やシナモンなどのスパイシーな香りが複雑に混じってしてまいります。アルコール度数も16度とやや高めなので、一口含むとパンチのある風味がぐっと立ってきて、雄町米ならではの旨味もあり、熟成酒好きには堪えられないのではないでしょうか。当然、ユニークな風味が様々な温度毎に楽しめます。一番香り味わいともにでるのが43~45度くらいの間でしたが、さらに数度上げますときりりと締まってまいりますし、飛び切り燗まで上げても面白いと思います。”通好み”のお酒ですので、あなた好みの適温をどうぞ見つけてください。なお、本田商店の本田社長は、長期熟成酒研究会の会長もされており、熟成酒に対して一方ならぬ思いがあり、その魅力をもっともっと伝えたいと日夜頑奮闘しておられます。さて、この熟成酒には合わせたのはビーフシチュー。コクのある熟成期間の長い八丁味噌仕立てのシチューです。季節の野菜をたっぷりいれてお作りください。時間はかかりますが、レシピは簡単です。
<材料>2人分
シチュー用牛肉 150g
玉ネギ 1/2個
人参 30g
蕪 1個
椎茸 2個
水 2C
八丁味噌 大さじ1.5
ドミグラスソース 大さじ3
塩・胡椒 少々
小麦粉 少々
<作り方>
1.肉に塩・胡椒し、小麦粉を振って、深めのフライパンに油少々を敷き、肉の表面に焼き色をつける。
2.1に水を注ぎ、沸騰するまでは強火にし、アクを引いてから弱火にして蓋をしめて1時間コトコト煮ていく。
3.玉ネギと蕪はくし切りに、人参は一口大、椎茸は軸をとっておく。
4.牛肉に竹串をさしてすっと通ったら、3を加えてさらに15分程度煮て、野菜が柔らかくなったら、ドミグラスソースと八丁味噌を加えさらに数分煮る。
<ワンポイントアドバイス>
1.好みで砂糖少々加えて味を調整してください。酒粕大さじ1程度いれてもさらにとろみとこくがでます。
2.どうしても早く召し上がりたい時は、コマ肉を買ってきて同様にしていただくと最初の煮込み時間が1/4ほど短縮できます。
3.ドミグラスソースがない場合は、ケチャップととんかつソースを2:1でいれてください。
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