入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第78回「里芋の白味噌煮 ゆず添え」
いよいよ年の瀬!1年の締めくくりと新年の準備にお忙しいことと思います。お歳暮、お年賀と贈答にお酒を選ばれる機会も多いですね。ホームパ―ティーなどにも気の利いたお酒を選びたいもの。もちろん自分のご褒美用にも。
今月はそんなニーズにぴったりの浅舞酒造さんの「天の戸 純米大吟醸35」をご紹介いたします。このお蔵は秋田の酒どころ横手市にあり、蔵から半径5キロ以内の酒米で醸す全量純米蔵です。数年前にお蔵にお邪魔したときに「夏田冬蔵―新米杜氏の酒造り日記」の著者でもある森谷杜氏にもお目にかかれ大変うれしかったのを覚えています。
さて、「天の戸 純米大吟醸35」ですが、2016年のIWC純米大吟醸部門の最高賞トロフィーを受賞されています。使用米は秋田の酒造好適米秋田酒こまち。それを35%まで磨いた出品酒スペックのお酒です。
無濾過のせいでしょうか。35%磨きなのにしっかりとした米の味わいがあり、余韻がまた大変きれいなお酒で、冷たくして飲めば吟醸香が生き、ぬる澗では米の旨味がぐっと立ちますので、どなたにも喜んでいただけるかと思います。
秋から冬にかけては、横手の山内(さんない)地域の特産品である里芋「山内いものこ」が美味し時期。粘り強くてとても柔らかなお芋で「いものこ汁」にするのが定番ですが、大吟醸に合わせ、麹の効いた白味噌で甘くことっと炊き上げました。柚子がまたお酒に新たな吟醸香をプラスするような形となり、ずっと飲み続けていたくなります。山内いものこは地元以外では手に入りにくいですので、普通に買える里芋で大丈夫です。
<材料>(2人分)
里芋 3個
出汁 1/2カップ
白味噌 50g
味醂 大1
塩 少々
柚子 適宜
<作り方>
1.里芋は皮をむいて縦1/2に切ってから、米の研ぎ汁でゆでこぼし、出汁で柔らかくなるまで炊く。
2.柔らかくなったら味醂と味噌を溶き入れ、最後に薄ければ塩で味調整し、針柚子を乗せる。
<ワンポイントアドバイス>
1.火加減によっては出汁が足りなくなるかもしれません。その場合は出汁や水を適宜足してください。
2.味噌によって塩分量が違うので、必ず味見をして、薄ければ塩少々を、濃ければ出汁を足してください。
3.残ったら小さく切って出汁を足して味噌汁やおじやにしていただいたり、つぶして油で焼いてもイケます。