入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第64回 「手羽先の醤油焼き」
朝夕の涼しさに、うろこ雲に、秋を感じる今日この頃ですね。お酒も常温(冷や)でいただくのにぴったりの季節がやってきました。
今回ご紹介するのは、愛知県・丸石醸造さんの「二兎 純米 山田錦六十五」です。丸石醸造さんは、1690年創業の由緒あるお蔵で、所在地の岡崎市は「八丁味噌」の産地として、また徳川家康をはじめとする三河武士のふるさととしても有名です。
さて、かわいい2羽の兎がトレードマークのこの二兎ブランド、〝二兎追うものしか二兎を得ず″のコンセプトから来ています。HPによりますと、「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」。二律背反する二つのコトガラが最高のバランス・味わいになるように試行錯誤を繰り返し、丸石の酒造りに合う米「雄町」と「山田錦」の二つを選んだとのこと。キレイでいて旨味と甘みを豊かに感じ、そして余韻の軽さを求めているそうです。
確かにしっかりとした味わいのなかにキレがあって、後味は軽快。香りも穏やかで食中にはぴったりです。最近メキメキと飲食店で見かけるようになったのもうなずけます。
合わせる肴は、「手羽先の醤油焼き」にしました。愛知発祥の居酒屋さんで、スパイシーな手羽先の唐揚げを出している人気店がありますが、揚げ物ですとちょっとハードルが上がるかなと”焼き”にしました。鶏の皮から脂が出て、少量の油でもかりっと美味しく焼けます。
夏の減退をここで取り戻すべく、もりもりとかぶりつきつつ、キリっとした二兎を召し上がってください。
<材料>2人分
鶏手羽先 10本
漬け地 (醤油40CC、酒・味りん各大さじ1、おろし生姜小さじ1)
サラダ油 小さじ1
煎り胡麻 適宜
<作り方>
1.手羽先はさっと洗って、裏側に骨に沿って切り込みを入れ、漬け地に20分は漬けておく。
2.フライパンに薄くサラダ油を敷き、1をしっかりふいて皮目から入れ、蓋をして5分焼き、反対側も同様に焼く。
3.好みで煎り胡麻を振って召し上がってください。今回は獅子唐を添えました。
<ワンポイントアドバイス>
1.漬け地に漬けるときは、ポリエチレンの袋に入れると裏返したりしなくて便利です。
2.ピリ辛が好きな方は、漬け地に豆板醤を小さじ1/2加えるか、焼いてから七味や黒胡椒を振ってください。
3.鶏は水分が多く、最も火の通りにくい肉の一つです。火加減は中火にして蓋を閉めて蒸し焼きにしてしっかり火を通してください。
4.もし余ったら、翌日ほぐしてサラダや玉子焼きなどに入れても美味です。
5.残った骨や皮からは良い出汁が出ます。10本分の手羽先ガラに4カップ(800cc)ほど水を加えて、ネギや生姜、ニンニクなど好みの香辛野菜を入れ、沸騰後10分程度煮出してからスープや味噌汁などに使ってください。