入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第63回 「洋風なめろう」
急に秋らしくなってきましたね。日本も突然の豪雨が多くなってきて亜熱帯化してきているのは否めませんが、このところのさわやかな風に仲秋の到来を感じます。
さて、お酒はいよいよ”ひやおろし”シーズンです。今回ご紹介するのは千葉県岩瀬酒造さんの「限定ひやおろし 純米岩の井」。山廃ならではの長い酸味の余韻が、濃醇系が大好きな方にはたまらない味わいです。
アメリカの有名ワイン評論家、ロバート・パーカー氏のパーカーポイントで、山廃の純米大吟醸が95点という高得点をとった蔵としても注目されています。お蔵は御宿にあり、海も近いことから海の幸にもマッチするよう「香り高さより、旨味と後味がしっかりしたお酒」を重視されていいるのだそう。パーカー氏の評価でも「快活。個性が強く、並外れた素晴らしい日本酒」と絶賛されています。まずは常温でひやおろしのバランス感ある醍醐味を味わっていただいてから、ぬる燗などで膨らみを楽しまれてはいかがでしょうか。もちろん冷たくしても、きりっとしまったシャープな味わいが美味しく頂けます。
合わせる料理は、千葉県の郷土料理…というか漁師料理で、すっかり全国区になった「なめろう」です。この面白い料理名はなめるほど美味しいのでその名がついたと云われていますが、今回は山廃のボディ有る酸味に合わせてオリープオイルとバルサミコを使って洋風に仕上げました。調味料は刻んだオリーブだけで大丈夫です。
<材料>2人分
秋刀魚(生食用) 2尾
オリーブオイル 小さじ2
バルサミコ 小さじ1
オリーブの塩漬(種なし) 7~8粒
万能ネギ 3本
玉ねぎ 1/4個
大葉 各1枚
<作り方>
1.秋刀魚は三枚に下ろして、腹骨を引き、軽くたたいておく。
2.万能ネギは小口切り、玉ねぎとオリーブの塩漬けは荒みじんに切っておく。万能ネギの小口切りは少し盛り付けように残しておく。
3.ボールにバルサミコとオリーブオイルを入れてよく混ぜた所へ、1と2を加え、さくっと混ぜ合わせ、大葉を敷いた皿に盛り付ける。好みでスダチやレモンなどの柑橘系のスライスを置き、上から万能ネギを散らす。
<ワンポイントアドバイス>
1.秋刀魚以外に、鰺や鰯などでも美味しく作れます。
2.夏場なら、ピーマンやトマトなどを加えてもまた風味が変わって楽しいです。
3.残ったらフライパンで焼けば、「さんが焼き」になります。
4.今回はセルクルで丸く抜きましたが、カレー用スプーン2本で、卵形に成形してもきれいです。
5.ウズラ卵の黄身だけをセンターに落とせば、ユッケ風にもなります。
6.バルサミコがなければ、レモン汁などで代用してください。