入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第11回「初鰹のとも和え」
新緑の季節。山菜もそろそろ終盤になり、グリンピースや天豆など緑の野菜が一杯になってきました。
五月といえば初鰹。「勝男」の音とも重なることから端午の節句にも欠かせませんし、なにより初物好きな江戸っ子は競うように食べたとか。秋の戻りに比べて体も小さく、サッパリとした味わいで初夏にぴったりの味わいですね。
あわせたお酒は高知のお酒、酔鯨の特別本醸造です。ベタですが、郷土料理と地酒というのはまず間違いがありません。55%研きの贅沢な本醸造で、すきっとしたキレのある味わいの万能選手です。どの温度帯でも楽しめますが、シンプルにウオッシュ効果を望まれるのであれば常温でどうぞ。私は少し高めの50度くらいにつけて、辛口の本領が発揮されたところが一番よいかと思います。酒盗の磯風味に非常にマッチしますし、赤身の魚に潜んでいる酸味が日本酒のアルコールや旨みと交じり合って、これまたふくよかな味わいになっていきます。
酒盗は鰹の内臓の塩辛。読んで字のごとく、お酒が進んで仕方ないですよね。そのままでももちろんおいしくいただけますが、クリームチーズにかけたり、ドレッシングに加えたり、ピザのソースにも使われるようになってきました。調味料としてとらえると料理の幅も広がりますね。
今回は鰹と酒盗でとも和えにしました。お刺身には筋が多くて使えない尻尾のところなどで結構です。ざくざくとぶつ切りにして混ぜあわせるだけ。簡単ですがかなりプロっぽい一品ですよ。
<材料>(2人分)
鰹 100g
酒盗 大さじ1
大葉各1枚、若布などの海草 適宜
<作り方>
1.鰹はぶつ切りにする。
2.酒盗は、筋が多いので、包丁で軽くたたいておく。
3.1と2を和えて大葉を敷いた上に盛り付ける。あれば海草などを添える。
<ワンポイントアドバイス>
1.酒盗が塩辛ければ味醂で伸ばしてください。
2.茗荷やねぎ、生姜等の和のハーブを一緒に混ぜ込みながらたたいて、なめろう風にするとボリュームがでて、スパイシーにもなり、さらにおいしくいただけます。セルクルなどで抜くと洋風ですね。加える分量の目安ですが、鰹の20%を越えない程度がよいでしょう。